宮城県において東日本大震災後大きな津波被害を受けた石巻市と名取市の被害後の復興を市民同 士の行動や行政との関係をキーワードに比較研究したものである。その際には Aldrich(2012)が主張するように、 地域の集団レジリエンスが重要であり、復興の鍵を握っていると思われる。今回の調査では石巻市と名取市の比較では、現在の生活状況や将来への見通しの他に市民間、市民行政間の意識、現状の復興感、想定する復興感、行政への期待などを調べた。その結果、現在の生活への満足感は、名取市の方が石巻市よりもややよく、震災後の振り返りも、名取市の方がやや良好であったが、将来の見通しに関しては、名取市の方がややネガティブな反応であった。