仙台市では仮設住宅の大部分を、このみなし仮設が占めることになったが、プレハブ仮設とは異なり市内全域に点在するみなし仮設は、言わば「見えない仮設」と化していた。入居者情報は担当者以外に開示されず、「見えない被災者」となった彼(女)らに対して、市民団体や企業がプレハブ仮設と同様の支援活動を展開することは、ほぼ不可能であった。その結果顕在化した「支援格差」に対して「地域支えあいセンター事業」が施策化されたが、こうした制度的対応とみなし仮設の入居者ニーズには隙間も残
されていた。やがて入居者自身のグループ化が見られるようになったものの、プレハブ仮設とは異なり常設型の拠点が存在しなかった点が、組織化・活動展開の両面で制約条件とならざるをえなかった。