専門家に関して言うと、東日本大震災の現場が阪神・淡路大震災や中越地震と大きく違うのは、被災者の立場に立ってアドバイスを行っている専門家の大半が、まちづくりコンサルタント(まちコン)ではなく大学研究室であるということである。それぞれ実務
には強いが調査・研究は苦手とか、調査・研究は得意だが実務に弱いといった得手不得手がある。地区に両方が入り、役割分担ができれば良いのだが、現状ではバランスをとるのが困難になっている。解決の方法としては、「まちコン」が継続的に入れる派遣制度の仕組みを使いやすく整備すること、或いは、大学研究室が現地に常駐する人材を置いて調整機能も担っていくことだろう。