日本列島全体の災害可能性を直視するとき、「被災地域=非居住地化=高台移転」という発想は、「命を守る」ことと「住む・暮らす」ことを混同した単純極まりない発想だといわなければならない。確かに地震・津波などの自然災害はこの上なく恐ろしいが、それが日常的に起こるわけではない以上、地震・津波から命を守ることと日常生活の基本である住む・暮らすことは峻別しながら統一することが求められる。