迅速性が求められるものとじっくり計画を煮詰めるべきものをまとめて復興計画に取り込んでいくという今回多くの自治体で取られた手法には課題が残されているように思う。災害復旧事業は迅速に進められるべきであるが、今回の被災地では地盤の沈降などによって面的に冠水地域が形成されるなど、復旧事業そのものにも十分な計画策定や今後の土地利用に関連する配慮が求められたことで時間が必要となったこともこれまでにない要因ではある。そう考えればやはり「ビジョン」をいち早く示すことで、復旧・復興に向けた覚悟が示されることは、住民の共感を得ながら計画を進めるうえでも重要だったのではないだろうか。