大船渡市三陸町吉浜地区ではこれまでの津波災害の経験から、低地部には住宅を立地させない土地利用を継続しており、浸水自体はそれなりの広がりがあったものの、そのほとんどが農地であり、住宅被害、人的被害が軽微であったという事例がある一方で、強固な防潮堤を築いたにもかかわらず、それを乗り越えてきた津波によって再度大きな被害を受けた宮古市田老地区、海の全く見えない15m の防潮堤で被害を軽微に抑えた普代村など、その対策と被害は様々となったが、やはり防潮堤や土地のかさ上げだけでは被害を防ぐことはできず、むしろ浸水しても人命を失わないためには避難を実施していくという減災対策の重要性も明らかとなった。