物理的にEMCへ参集して地図作成を行うことが難しい場合においても、バックヤード部隊の存在は大きいため、WEBを介して参画できるようなサービス設計を構築させておくことが望まれる。昨今は緊急時の情報共有におけるGISの活用は、クラウド技術の発展とともにその形態を変化させており、EMTが作成したような地理空間情報およびその集合体である地図・そして解析ツールは「所有する」から「利用する」時代に進化していくことが期待されている。その際にも、GISの機能とユーザーニーズを結びつけて意思決定の支援を具現化するための可視化スキルは必要不可欠なノウハウである。このようなノウハウは、災害対応の主体となる組織の規模や役割、応急対応・復旧・復興といった災害フェーズの違いによっても様々であろうが、今回のような整理手法に基づいて、それらを明らかとしていけば、徐々に経験が蓄積されて未来へとつながっていくものであり、むしろ蓄積していかなければならない物である。物理的な場所としての内閣府EMCはクロージングしているものの、産官学が連携して現在も引き続き地図作成活動を行っている。今後も継続的に詳細な分析を行っていきたい。