東日本大震災は津波災害の様相が強く,津波浸水による被災建物総数は約22万棟,住家全壊は約12万棟にのぼったが,ライフライン被害は津波浸水地域よりもはるかに広域で発生し,これらの数値を大きく上回っている.このことから,下水道システムのように津波被災地域に重要施設が立地していない供給系ライフラインにおいては,津波はあくまで被害・復旧支障要因の一部に過ぎず,地震動や液状化の影響も大きかったといえる