東日本大震災に関連した4地震による供給支障人口の解消過程を別々に求め,時系列的に合成して得られた推定結果を,実測値(停止戸数に1世帯当たり平均人員2.72を乗じて換算)と比較してモデル検証を行った.モデル選択(従来・改良),入力選択(震度曝露人口評価における震度推定のばらつきの考慮の有無),複数イベントによる影響の合成方法 (ケース1,2)などによる違いはあるものの,停電・断水・都市ガス停止ともに約1.4~1.7倍以内の精度で供給停止人口の初期値とその解消過程を予測可能であることが確認できた.この推定精度の妥当性は判断できないが,こうした予測モデルが実際の大規模震災で検証された例はなく,一つのベンチマークが得られたといえよう.