地域で形成される民衆知と津波避難に関する予備的考察―福島県浜通り地方を事例に―

民衆知の形成と蓄積の現状は,調査した楢葉町・富岡町・いわき市ではほとんどの自治会や隣組,または個人において「津波は危険ではない」とする「誤った」民衆知が形成されている実態が明らかになった.また,その原因としてはチリ地震津波など,過去の被害の少ない災害による記憶であるか,または認識を共有するための仕組みがないことである.自治会や町内会などの地域住民組織を通じた住民同士のコミュニケーションが希薄になっていた,または,そういったコミュニティ自体が機能していなかった,形成されていなかったなどの要因により認識が共有されなかったのである.この二つが「危険ではない」という民衆知,もしくは民衆知そのものが未形成となった原因と考えられる.

作成日:
2018/04/16 
作成者(論文:筆頭著者,報告書:発行機関):
松本 行真 
フェーズ:
その他・非該当 
対象:
住民 
カテゴリ:
コミュニティ 
場所:
その他・非該当 
区分:
論文 
掲載誌名:
地域安全学会論文集 
掲載巻ページ:
№21 
出版者:
地域安全学会 
災害種別:
東日本大震災 
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