消防庁では災害対策基本法を根拠とする相互間地域防災計画の作成を推奨しているが、これは必ずしも有効な方法だとは思われない。なぜなら、現行制度は一度もこうした広域災害を経験していないため、計画策定過程では全く新しい考え方が必要になるはずであるが、それを防災基本計画および防災業務計画の枠組み内でやろうとすることに根本的な矛盾をはらんでいるからである。しかし、これらが上位計画ではなく、地域防災計画と対等の計画であるとすれば、むしろ複数の自治体間で自発的に取り決められた新しい試みが、国の計画にも反映されるという好ましい循環を生み出すことが可能となるであろう。