本稿では,小千谷市災害対策本部を対象とし,当本部にて処理された情報をもとに,実際に取られた業務の洗い出しを行った.さらに, ICSのフレームワークを利用した「所管体系」と,危機対応関連情報の整理からの業務の抽出・体系化により得られた「政策体系」を2軸とし,各業務に対する情報の位置づけを明らかにすることで,情報処理の視点からみた危機対応時の組織運用の像
を推測・検討した.その結果として,危機対応という営みの中で災害対策本部では,現場の最前線で危機対応を実行する従事者に対し,彼らを後方支援する役割を担うことが明らかとなった.