本研究では,災害時要援護者を中心とした被災者の避難生活実態の解明を行うために,新潟県中越沖地震における「介護福祉支援ボランティア」の活動から得られた知見を,グループインタビュー調査,質問紙調査を通して明らかにした.その際には,介護福祉士会が平時より活用している対象者の支援領域を構造化した「生活7領域」のフレームを災害時にも適用することで,課題を系統的に整理した.そこで明らかとなった最も重要な課題は「避難生活後の自立生活再建を目標とした支援を実現するために,支援者間で枠組みの共有が行われたり,体制が整備されていない」ことであった.