近距離に移転した集団移転世帯はもとより,6km以上隔てた場所に移転した個別移転世帯においても,大半のケースが今も従前居住地を定期的に訪問している.このことは,移転世帯の生活圏が震災前後において一定の重なりを有することを意味している.あるいは従前居住地は田畑利用など生産活動の場として残し,居住の場をより快適なところへ移したという見方もできるだろう.