本研究では現場から収集される実被害情報の代替となる推定被害情報を位置づけ,災害対応を効果的に運用するための情報処理の流れを示した.この枠組みにもとづき,中央省庁の状況認識の統一の実現を目指し,災害発生翌日より中央合同庁舎5号館の特別会議室にて緊急地図作成チームを立ち上げた.この活動は4月26日まで続け,計500枚の地図を作成した.これらの地図は現場のニーズへ応えた成果であり,状況の全体が見えない災害発生直後での空間情報活用の可能性を示したといえる.